新紙幣でご祝儀・香典はどう変わる?

2024年7月に、一万円札・五千円札・千円札の図柄が新しくなりました。それ以来、 「ご祝儀は新しいお札で包まないといけないのか」「香典に新しいお札を入れると失礼なのか」と迷う声を聞くようになりました。 先に結論を書くと、変わったのはお札の図柄だけで、ご祝儀と香典のマナーは変わっていません。 混乱の原因は、「新札」と「新紙幣」という似た言葉にあります。

結論:場面別の早見表

場面求められるお札新紙幣旧札
ご祝儀未使用のきれいなお札(新札)未使用ならよい未使用ならよい
香典使用感のあるお札(新札は避ける)使用済みならよい使用済みならよい

どちらの場面でも、見られているのは「図柄」ではなく「使われた跡があるかどうか」です。

「新札」と「新紙幣」の違い

同じ「新」でも意味がまったく違います。新しいデザインのお札でも、人の手を渡って折り目がついていれば「新札」ではありません。 反対に、旧デザインでも一度も使われていないお札なら「新札」です。 冠婚葬祭のマナーで昔から言われてきた「新札」は、もちろん前者のピン札のことです。

2024年に発行された新しいお札

日本銀行は、2024年7月3日に次の3種類の新しいお札の発行を始めました。

券種新しい肖像それまでの肖像
一万円券渋沢栄一福沢諭吉
五千円券津田梅子樋口一葉
千円券北里柴三郎野口英世

二千円券は変更されていません。また日本銀行は、発行前から現在流通しているお札は、新しいお札の発行が始まった後も引き続き使えると案内しています。 日本銀行によると、これまでに発行されたお札のうち、現在も有効なものは25種類あります。 福沢諭吉の一万円札も、樋口一葉の五千円札も、そのまま使えるお札です。

いまはまだ旧札のほうが多い

日本銀行の「日銀レビュー」(2025年7月)によると、2025年6月末の時点で、新しいお札の発行残高は約50億枚、 発行されているお札全体の約30%でした。前回のお札の切り替え(2004年)と比べても進み方はゆっくりで、 レビューはキャッシュレス決済の広がりなど、現金を取り巻く環境の変化にも触れています。

つまり、発行開始から1年がたっても、出回っているお札の多くは旧デザインだったということです。 財布の中で新旧のお札が混ざっているのはごく普通のことで、ご祝儀や香典に新旧が混ざっていても、 それを失礼だと受け取る人はまずいません。気になる場合は、肖像の向きをそろえて入れれば十分です。

ご祝儀:図柄より「未使用」かどうか

ご祝儀に新札を包むのは、「この日のために前もって準備しました」という気持ちを表すためです。 その気持ちは、お札が新しいデザインかどうかでは変わりません。新紙幣のピン札でも、旧札のピン札でも、意味は同じです。

受付での渡し方はご祝儀の渡し方、金額の目安はご祝儀の相場診断で確認できます。

香典:新紙幣でも使用感があればよい

香典で新札を避けるのは、ピン札が「不幸を予期して準備していた」という印象を与えかねないためです。 ここでも問題になるのは使われた跡があるかどうかで、新紙幣かどうかは関係ありません。

お札の入れ方や袋の選び方は香典のマナー完全ガイド、 中袋への金額の書き方は香典袋の金額の書き方で解説しています。

よくある質問

ご祝儀に、福沢諭吉の一万円札のピン札を使ってもいいですか?

問題ありません。ご祝儀に求められるのは、折り目のない未使用のお札であることです。図柄が新しいか古いかは関係ありません。福沢諭吉の一万円札は現在も有効なお札です。

香典に新紙幣を入れるのは失礼ですか?

新紙幣であること自体は失礼ではありません。香典で避けるのは「新札」、つまり折り目のない未使用のお札です。人の手を渡って使用感のある新紙幣なら、そのまま入れて構いません。手元に新紙幣のピン札しかない場合は、一度折り目をつけてから入れます。

新紙幣と旧札を混ぜて包んでもいいですか?

混ざっていてもマナー違反とはされていません。いま流通しているお札の多くは旧札で、新旧が混ざるのはごく普通のことです。気になる場合は、肖像の向きをそろえて入れるだけで見た目が整います。

旧札は銀行で新紙幣に交換しないといけませんか?

交換の必要はありません。日本銀行は、現在流通しているお札は新しいお札の発行開始後も引き続き使えると案内しています。

参照した資料

編集方針

お札の有効性や発行状況は日本銀行の公表資料に基づきます。新札・使用感のあるお札の使い分けは広く共有された慣習で、地域やご家庭によって考え方が異なる場合があります。