弔電の送り方と文例

遠方に住んでいる、仕事の都合がつかない、家族葬で参列を辞退された—— 葬儀に参列できない事情はさまざまです。そんなときに弔意を伝える手段が弔電です。 ただし宛名・敬称・言葉選びにそれぞれ決まりがあり、 間違えると読み上げの場で気まずさを生みます。本ガイドで作法を確認しておきましょう。

送るタイミングと送り先

弔電は葬儀中に読み上げられることを前提に手配します。 そのため、届くタイミングが何より重要です。

なお、家族葬などで会場が非公開の場合は、無理に探して送らないでください。 公表されていないのは、そっとしておいてほしいという意思表示です。 詳しくは家族葬のマナーをご覧ください。

宛名の書き方

もっとも間違えやすいのが宛名です。原則は次のとおりです。

故人の敬称一覧

弔電の本文では、故人を喪主から見た続柄で呼びます。 自分から見た関係ではない点に注意してください。

喪主から見た続柄敬称
ご尊父様(ごそんぷさま)/お父様
ご母堂様(ごぼどうさま)/お母様
ご主人様/ご夫君様
ご令室様/奥様
祖父ご祖父様/おじい様
祖母ご祖母様/おばあ様
息子ご子息様/ご令息様
ご息女様/ご令嬢様
ご令兄様(ごれいけいさま)
ご令姉様(ごれいしさま)

たとえば、友人の父親が亡くなった場合、 その友人が喪主であれば「ご尊父様のご逝去を悼み…」となります。 自分から見て「ご友人のお父様」ではありません。

なお、喪主が誰かによって敬称が変わります。 同じ故人でも、喪主が配偶者なら「ご主人様」、 子どもなら「ご尊父様」になります。手配前に喪主を確認しましょう。 敬称に自信がない場合は「故 ◯◯様」と氏名で書けば失礼になりません。

避けるべき言葉

弔電では、忌み言葉と直接的な表現を避けます。

種類避ける言葉言い換え
重ね言葉重ね重ね・たびたび・またまた・返す返す・ますます心より・深く・改めて
不幸の連想続く・再び・追って・次に使用を避ける
直接的な表現死ぬ・死亡・急死ご逝去・ご永眠・突然のこと
直接的な表現生きていた頃ご生前・お元気だった頃
数字四・九使用を避ける

弔電の文面は電報サービスの定型文から選べますが、 定型文はすべてこの制約を満たしています。自分で文章を作る場合のみ、上記に注意してください。

関係別・弔電の文例

弔電は短くまとめるのが基本です。長文より、簡潔で心のこもった文が適しています。

友人・知人の親族が亡くなった場合

「ご尊父様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。 遠方によりお別れに伺えず申し訳ございません。 安らかなご永眠をお祈りいたしますとともに、ご家族の皆様のお力落としをお察し申し上げます。」

職場関係(社員の家族が亡くなった場合)

「ご母堂様のご訃報に接し、社員一同心よりお悔やみ申し上げます。 ご生前のご厚情に深く感謝いたしますとともに、 謹んで哀悼の意を表します。どうかご自愛くださいませ。」

取引先の関係者が亡くなった場合

「◯◯様のご逝去を悼み、謹んでお悔やみ申し上げます。 ご生前に賜りましたご厚誼に深く感謝申し上げますとともに、 心よりご冥福をお祈りいたします。」

親しい友人本人が亡くなった場合

「突然の悲報に、言葉も見つかりません。 学生時代からの思い出が次々とよみがえります。 これまで本当にありがとう。どうか安らかにお休みください。 ご家族の皆様に心よりお悔やみ申し上げます。」

家族葬で参列を辞退された場合

「このたびはご愁傷様でございます。 ご家族水入らずでのお見送りとのこと、遠くよりお祈り申し上げます。 ご生前のお姿を偲び、心よりご冥福をお祈りいたします。」

宗教による表現の違い

弔電でとくに注意したいのが、宗教用語の使い分けです。 無意識に使いがちな言葉が、宗教によっては不適切になります。

宗教がわからない場合は、 「心よりお悔やみ申し上げます」「謹んで哀悼の意を表します」 「安らかなお眠りをお祈りいたします」を使えば、どの宗教でも失礼になりません。 宗派ごとの違いは四十九日・法要の基礎知識でも解説しています。

香典・供花との使い分け

弔意を示す手段は弔電だけではありません。状況に応じた使い分けを整理します。

状況適した対応
参列できるが遅れる参列時に香典を持参。弔電は不要
参列できない(遠方・都合)弔電+香典を現金書留で郵送
香典辞退の案内がある弔電のみ。負担をかけない
参列も香典も辞退弔電のみ、または後日の手紙
会社として弔意を示す弔電+供花(社内規程を確認)

弔電は、香典を辞退された場合でも受け入れられることが多いのが利点です。 遺族に返礼の負担が生じないためです。 家族葬で「香典・供花はご辞退」とある場合も、弔電なら差し支えないことがほとんどです。

香典を郵送する場合は、不祝儀袋に入れたうえで現金書留封筒に入れ、 お悔やみの手紙を同封します。金額の目安は香典の相場診断で確認でき、 包み方は香典のマナー完全ガイドで解説しています。

よくある質問

弔電の宛名は誰にすればよいですか?

喪主のフルネーム宛にするのが基本です。喪主がわからない場合は「(故人の氏名)様 ご遺族様」とします。故人宛に送るのは誤りです。送り先は自宅ではなく、通夜・葬儀が行われる斎場宛てにし、「◯◯斎場気付」と記載します。

弔電はいつまでに送ればよいですか?

通夜または葬儀・告別式が始まる前までに届くよう手配します。弔電は葬儀中に読み上げられるため、遅くとも葬儀開始の3時間前までには到着させたいところです。多くの電報サービスでは当日配達に受付時間の締め切りがあるため、訃報を受けたらすぐ手配しましょう。

弔電で使ってはいけない言葉はありますか?

「重ね重ね」「たびたび」「またまた」などの重ね言葉は、不幸が繰り返されることを連想させるため避けます。また「死ぬ」「生きる」といった直接的な表現は「ご逝去」「ご生前」と言い換えます。宗教による違いもあり、「ご冥福」「成仏」は仏教用語のため、キリスト教式や神式、浄土真宗では使いません。

本記事は一般的なマナーに基づく解説です。宗教・宗派・地域によって適切な表現は異なる場合があります。電報サービスの受付時間や料金は各社にご確認ください。